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ご挨拶

東京工業大学 生命理工学院 教授 林 宣宏

我が国は世界でも有数の幸せな国ですが、良い環境で皆が長生き出来るからこそ到来する超高齢化社会というジレンマを抱え、これからまだ誰も経験したことの無い問題に直面しようとしています。このままでは、高額医療費による経済的負担や高齢者用インフラの未整備による生活品質の低下、さらには、各地の過疎化、等、により、本来は何よりも幸せなことであるべき“長生き”を心から喜べないような、歪んだ社会になってしまいます。他方、最先端の生命科学においては、技術的には充分にそういった問題を解決出来るレベルにまで達していますが、社会を変革するにはそういった技術を単独で使用するだけでは不充分で、それらを機械工学、電子工学、IT技術、等、異分野の最先端技術と融合し、さらに既存のシステムに組み込む必要があります。我々、「未来型スポーツ•健康科学推進体」では、各学術分野の最先端を担う研究者が分野横断的に連携出来るという本学の特性を最大限に活かすことで、誰もが幸せに暮らせる超長寿社会の実現を目指します。そのために、基盤技術に位置づける生命科学技術(A.I.(人工知能)診断技術)に生体情報取得技術、マイクロデバイス技術、生体工学技術、情報通信技術、等を融合させ、個々人に日頃から寄り添い、そのライフスタイルや健康履歴をも鑑みて我々を見守ってくれるパートナーシステムを構築しますが、その過程では多くの人々との対話が想定されています。皆様には、“幸せな長寿社会”を期待していただきたいとともに、その実現に向けて一緒に活動する機会があると思いますので、そういった折には是非ともご参加いただけることをお願い致します。